近頃毎日のように病院に行っているのだが、お医者さんや患者さん、その他私のような見舞い客など、いろいろな人がいるなーって思う。
 まず、父の手術を担当してくれたお医者さん。心臓外科の先生だけど、毎朝毎夕必ず診に来てくれる。弱気になった父を励ましたり、ずっと付いている母に声をかけてくれたりと、かなり親切。お医者さんに対して不信感のようなものはもともとない私だけれど、なんとなく偉ぶっているイメージとかもっていたところがあった。でも、土日も休みなく必ず2回会いに来てくれる、こんなに優しいお医者さんもいるんだってちょっと感動してる。
 次に患者さん。私がロビーにいると、突然大きな声で電話に向かって怒鳴り始めたおじいちゃん。「わしの接着剤を持って来い!」とかなんとか、病棟に響き渡る大きな声で叫んでいる。「わしが死んでも葬式にはこんでええ!」とかなんとか。接着剤がなぜに必要?っていうか、そんなお葬式のことまで言わなくても、おじいちゃん・・・。それこそ、血圧上がってそのまま・・なんてことないよね、なんて他人ながら心配しちゃいました。
 最後に最近気になっているのが、夕方診察室の前で暗がりに座っている黒いスーツにアタッシュケース持ったおじさんたち。毎日毎日、数名ずつ、黙ってひたすら座っている。その人たちの前を何回か往復することがあるのだが、さっき通ったときと比べても、一向に動いた様子がない。いったいこの人たちは何だ?具合が悪い?なんてよくわからずに思っていたのだが、あれが素浪人さんの仲間MRと言われる人たちなんだろうなということがわかった。本当に長い時間固まったままじっと待っている姿に、思わずがんばってねって言いたくなってしまう。素浪人さんも、がんばってくださいませ。